奈良教育大学先導理数プロジェクト Advanced Education of Science and Mathematics
 
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松山 豊樹 (プロジェクト代表)
伊藤 直治

奈良教育大学
マリアナ・蛇紋岩海山の岩石採取

奈良教育大学理科教育講座 地学教室 和田穣隆

2006年11月24日から12月12日にかけて,神奈川県横須賀にある海洋研究開発機構(JAMSTEC)の深海調査研究船「かいれい」に乗船し,マリアナ海域において研究航海に参加してきました.この航海ではJAMSTECの所有する無人探査機「かいこう7000II」(最大潜航深度11,000mの能力を持つ!)を用いて,マリアナ海域にある山頂深度3,000〜5,000mの海山から岩石サンプル,とくに蛇紋岩の中に含まれている変成岩を採取することが目的でした.採取した岩石については造岩鉱物や化学組成を分析することによって岩石生成過程を明らかにすることになります.このような研究はマリアナや日本のようなプレート沈み込み帯で起こっている地球科学的プロセス(地震発生や火山活動など)の理解につながります.

11月24日に横須賀を出港し三日かけてマリアナ海域に向かいましたが,そこまでが前線帯つまり夏と冬がせめぎ合う所となっていて海は大荒れの状態でした.おかげで最初の三日間は”寝たきり状態”でした.その後は比較的天気も海況もよく,調査海域では順次7つの海山に”かいこう7000II”を潜航させ海山の斜面の様子をリアルタイムで船上からモニターで観察するとともに,岩石採取を行いました.といっても乗船研究者はブリッジにある操縦盤の前でモニターを見ながら”かいこう7000II”を操縦するパイロットの方々に「マニピュレーター(ロボットの腕のようなもの)であの石を採って下さい」とか指示をするだけなのですが・・・.

我々の研究ではないのですが,今回の航海ではたまたま世界最深の場所であるチャレンジャー海淵(理科年表では深さ10,920m.”かいこう7000II”が潜ったのは10,118m)での”かいこう7000II”を用いた採泥実験を見学する機会がありました.海底に到着するのに約3時間かかりましたが,無事到着・採泥できました.その一部始終は船上からモニターで観察しました.また探査機にカップ麺のカップをくくりつけ,世界最深の海に沈めて縮めることもできました(現物を見たければ研究室にどうぞ).  私はこれまで乗り物酔いの経験がなく,船での酔いは確かに大変でした(おかげで3kg痩せました).しかし普段よく行く山や海岸とは異なり,まわりが海ばかりのフィールドはまたすばらしいものです.熱帯であるマリアナでは昼間,雲の底の高さが低く(数100mくらいとのこと),まるで手が届きそうでした.日没時にはきれいな夕焼けが望め,その後満天の星が現れます.そのような光景の下に広がる海は昼間,青色でも紺色でもなく藍色です.今後,このすばらしい経験を研究・教育に役立てていければと思っています.

        

     

     

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